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SF アーカイブ

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2006年07月21日

たったひとつの冴えたやりかた [SF]

「これがたったひとつの冴えたやりかた。」
たったひとつの冴えたやりかた たったひとつの冴えたやりかた
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア著 / 浅倉 久志訳
早川書房

表題作を含む宇宙を舞台にくり広げられるドラマ3編を収録。
一人の少女と彼女の脳に寄生した宇宙人を描く1部(世間一般では「泣き」SFだそうです。確かにいいはなし(綺麗な感じの話)だったけど自分はそれほどだったなぁ)、
2部は冷凍睡眠してた男と整形によって美を保つ彼の元彼女そしてそのクローン、彼のとった行動とは!ってな感じだった。1部と3部の印象が強くてあんま覚えてないです・・・
3部は人間と異星人のファーストコンタクトを描いたもの。誤解から生じた最悪の状況でそれでも平和を望む船員たちの行動は感動できます。まぁ全体的に綺麗にまとまってましたが自分としてはちょっと物足りなかった気がします。「たったひとつの冴えたやりかた」は本当に「たったひとつの冴えたやりかた」だったのか・・・。
クセはないのでフィクションとして読むにはお薦めかも。

これよんで号泣した人もいるようです。

流れよわが涙、と警官は言った [SF]

流れよわが涙、と警官は言った 流れよわが涙、と警官は言った
フィリップ・K・ディック著 / 友枝 康子訳
早川書房

三千万人のファンから愛されるマルチタレント、ジェイスン・タヴァナーが目を覚ますとそこはオンボロな安ホテル。そして彼は国のデータバンクから彼の情報が抹消されていること、さらに友人恋人さえ彼の事を忘れている事を知る。彼は社会的に存在しない人間になったのだ。彼は警察に追われながらも自分を捜しに行くのだが・・・ってな感じ。

タイトル買いでしたが、面白かったです。名は体を表すってことでしょうか。
なんといっても、なぜ警官は涙を流すかがポイントになってくると思いますが、そこがこの小説の醍醐味でもあるので伏せておいて、テーマは「愛」とだけでも言っておきましょう。
"Science"の部分も、空間の排除などなかなか興味深い概念が出てくるので、ここだけ掘り下げてもなかなか面白いかなと思えました。

2006年07月12日

愛はさだめ、さだめは死 [SF]

愛はさだめ、さだめは死 愛はさだめ、さだめは死
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア著 / 伊藤 典夫訳 / 浅倉 久志訳
早川書房

「接続された女」
物事の本質が見極められる人間がどれだけいるのだろう。「人間は外見じゃない」とかヒトは言うけれど、心の底でやはりそれを判断材料の一つとしている。でなきゃ、写真に写ったアイドルをかわいいと思わないでしょ?(笑) 何を美しいと思い、何を醜いと思うかに個人差はあれど、美醜を判断してしまうのは人間の本能だ。そうであっても、本当の美しさは内面から出てくるものだと信じたいね。あなたは愛する人の本質が見えていますか?

「愛はさだめ、さだめは死」
生と性と死。
冬になると理性を失い仲間からなにから食い殺してしまうさだめをもつ怪物。主人公であるこの怪物はさだめに抗おうとするが結局は愛するものに食われて命を落とすことになる。しかし彼の最期は幸せに満ちていた。この地球で最も自然から距離を置き、本能から遠ざかって生きる人間。人間にとってさだめとは何だろう?自然の本能に逆らって生きる人間は本当に幸せなのだろうか?

2006年04月06日

ブラッド・ミュージック [SF]

ブラッド・ミュージック ブラッド・ミュージック
グレッグ・ベア著 / 小川 隆訳
早川書房
天才遺伝子工学者が生み出した思考する細胞「ヌーサイト」。ヌーサイトの感染で引き起こされるメタモルフォーゼ。人類の未来は?

「80年代版幼年期の終わり」と評される傑作。人間の手によって生み出されたヌーサイトはいわば神となり、人類を共通意志存在へと導く。ヌーサイトからすれば、ただ宇宙の真理に近づくための一つの手段だったのかもしれないが、これは進化だ。人は孤独ではなくなった。さらに高等な知識も得た。しかし本当にこれでよかったのかな・・・人類の幸せとは何でしょう?

2006年03月01日

タイタンの妖女 [SF]

「だれにとってもいちばん不幸なことがあるとしたら-----それはだれにもなにごとにも利用されないことである」
タイタンの妖女 タイタンの妖女
カート・ヴォネガット著 / 浅倉 久志訳
早川書房
時間等曲率漏斗に陥り、全能の波動的存在となったラムファード。彼の策略によって運命をほんろうされ続けるコンスタントとビアトリス。最終目的地タイタンで明かされる驚愕の事実とは。

僕がSFを好んで読むのはSFの持つ哲学的側面にある。本作は宗教、政治、経済、そして人類の存在意義に迫る傑作と言い切って間違いない。とかく人類は己の存在に高尚な意義を見つけようとするが、本作みたいなシニカルなオチってのも、まぁ悪くないかなw と、まぁ難しい話は抜きにしてストーリーを追うだけでもかなり楽しめた。コミカルでテンポもいいので読みやすいと思う。すばらしい。

2006年02月05日

ソラリスの陽のもとに [SF]

ソラリスの陽のもとに ソラリスの陽のもとに
スタニスワフ・レム著 / 飯田 規和訳
早川書房
惑星ソラリスを舞台に人間の内面に迫る物語。生きている<海>、その謎を解明しようとする人間。しかし、その<海>は人間を嘲笑するように新たな謎を提起してくる・・・

現象には必然性があって、それは解明できるものだと信じることの限界と愚かさ。「真理」なんてものは人間の思考範囲ではわかるものではないのかもしれない。逆に、笑ってしまうくらい簡単なものなのかもしれない。そんなことを思った。

2006年01月31日

故郷から10000光年 [SF]

そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた
故郷から10000光年 故郷から10000光年
J・ティプトリー・ジュニア著 / 伊藤 典夫訳
早川書房

「故郷」がキーワードである短編集(全部ってわけではないけど)。気に入ったものを2つ紹介。
・「そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた」
意識の違い。人間がどれだけ異星人に思いを寄せようと、向こうはなんの関心もない。これって現実にも通用するところがあるよな・・・ どれだけ思い焦がれても実らぬ恋もあるってことか^^;

・「ビームしておくれ、ふるさとへ」
今の世界に違和感を持ち、自分は未来からの観察者、そしていつか船が迎えに来ると信じる青年の話。狂気じみた話に思えるが、彼の想いには共感できるところがある。

あなたにとっての「故郷」とは何ですか?

2005年10月04日

地球の長い午後 [SF]

地球の長い午後 地球の長い午後
ブライアン・オールディス著 / 伊藤 典夫訳
早川書房
灼熱の王国で様々に進化した植物たちの描写が己の想像力の限界からさらに想像力をかき立てる。物語はとある人間のグループの異端児グレンの冒険を中心に進んでいく。波乱に満ちた長い長い旅路の果てにたどり着くのはやはり故郷への念か。
読んでる最中はエンターテイメント要素の強いファンタジーかと思ってたけど、終盤はすばらしい。おもしろかった。

2005年07月02日

冷たい方程式 [SF]

「みんながしてくれたことを思いかえしてみると、今のわたしにとって、何よりも大切なことのように思えるのは、小さなことばかりだわ。」
冷たい方程式 冷たい方程式
トム・ゴドウィン〔ほか〕著
伊藤 典夫編 / 浅倉 久志編
早川書房
短編集。表題作がSF古典の傑作とのことで手にしてみました。人によって感想はそれぞれだと思いますが、ちょっと自分には合わなかったかな?古い作品のせいか、ひとつの現象として首をかしげてしまうような場面が何度か・・・ 複数の命を助けるためにひとつの命を犠牲にするといった類の話は多く存在するけれども、それが純粋に兄を想うだけの少女であっても「冷たい方程式」が下されるというのは考えるところがある(もうちょっとうまくやれた気がしなくもないけど)。まあまあ楽しめる作品。(2006.2.4修正)

2005年06月25日

夏への扉 [SF]

夏への扉 夏への扉
ロバート・A・ハインライン著 / 福島 正実訳
早川書房
タイムトラベルを扱った作品の元祖的な作品。しかし、"SF"に肝心な"S"すなわち"Science"の部分が少し弱く、未来を意識した道具が逆にリアルさを欠いてしまっていて残念と思ってしまいました(機械科の学生はロボットを歩かせることがいかに難しいことか知っていますw それでもこの作品がおもしろいと思えるのは、やはりストーリーの良さ。一般的に読みにくいとされるSFの翻訳も大変読みやすく、気がつくと本の世界にのめり込んでいた(1/3くらいから一気に読み切ってしまった)。SFが好きな人もそうでない人も、きっと大切な一冊になるはず。 猫好きと、技術者に

2005年06月04日

幼年期の終り [SF]

人類はもはや孤独ではない
幼年期の終り 幼年期の終り
アーサー・C・クラーク著 / 福島 正実訳
早川書房
物質的繁栄の中で影を潜める人類の真の姿、そして人類の進化の果てに行き着くものは・・・人間の存在意義を考えさせられる作品。ただ、アイディアにそれほど斬新さを感じなかったのが残念。というのも、この作品に影響を受けたと思われるものが世の中に多く出回っていて、自分たちはそれに慣れてしまっているからだ。けど、それらと比べても一線を画す作品なのは間違いない。まさしく傑作。

2005年05月11日

死者の代弁者 [SF]

「いかなる人間も、こちらがその人の願望を理解すれば、無価値ではない。誰の生涯も無ではない。男たちや女たちのうちでもっとも邪悪な者ですら、こちらがその心を理解すれば、彼らの罪を責めて少しは償う、なにがしかの高貴な行いをしているものなのだ。」

死者の代弁者 上死者の代弁者 下オースン・スコット・カード著
/ 塚本 淳二訳
早川書房

「エンダーのゲーム」の続編。前作に劣らぬ、というか前回を越える傑作。あまり訳がよくなかったのが残念だったけど・・・(英語独特の言い回しをそのまま訳した、って感じの不自然な日本語が多かった)。現在も世界各地で争いが起きているが、これを読んでいると「人間は理解し合える」という希望が湧いてくる。

2005年03月29日

エンダーのゲーム [SF]

「ぼくが、自分の敵を真に理解し、そいつを打ち負かせるぐらいに、よくそいつを理解する瞬間に、そのとき、まさにその瞬間には、ぼくはそいつを愛しもするんだ。」
エンダーのゲーム エンダーのゲーム
オースン・スコット・カード著 / 野口 幸夫訳
早川書房
僕のSFブームの火付け役になった作品。とにかくこの作品はただの宇宙戦争ものではないということ。
「終わらせるもの(Ender)」の名前を背負った天才少年の苦悩と、最後に直面する思いもしない結末、そして決意。愛とは?理解することとは?
自分にとって特別な一冊。

2005年03月10日

残像 [SF]

残像 残像
ジョン・ヴァーリィ著 / 冬川 亘訳 / 大野 万紀訳
早川書房
全体的にとても読みやすかったです。自分としてはちょっと物足りない気もするけど、「これぞサイエンス・フィクション!」といった面白い作品が多かったと思います。ひとつ選ぶなら表題作の「残像」でしょうか。20世紀中盤のアメリカを背景に、流行病によって生まれてきた目と耳の不自由な人たちが作り出したコミューンに男が迷い込んで・・・。今回はあんまり書けることもないんで感想は控えておきます。

2005年02月21日

あなたの人生の物語 [SF]

あなたの人生の物語 あなたの人生の物語
テッド・チャン著 / 浅倉 久志〔ほか〕訳
早川書房

気に入ったものをいくつか紹介

理解
簡単に言うと脳に損傷を受けた人が新薬を投入されると脳の再生の際にとんでもない天才になるって話です。(以下ネタばれってこともないと思いますけど自分の感想です)
人がいくら頭が良くなっても最終目的は違うということですか。更に己を磨いて自分を高めようとすることに幸せを抱く人、その知識を役立てて世界に貢献しようとするもの。この中では2人だったけど、もっとたくさんの人間が人知を越えた天才になってもそこには個性が存在する(あたりまえなことかな)。極端な言い方をすれば、どんなに進化しても結局人は理解し合えないということか。

地獄とは神の不在なり
キリスト教の世界観が自然現象の一部として存在している世界。天使も存在するし、奇蹟も存在する。しかし、主人公は天使光臨の際に引き起こされる災害によって最愛の妻を失うことになる。妻は天国にいくのだが、再来を果たすためには妻を殺した神を愛さなければならない・・・。以下感想です。
結局のところ、神がいようがいまいが、奇跡が起ころうが起こらなかろうが、災害が起きようが平穏であろうが、幸せであろうが不幸であろうが、人間は現実を受け止めて生きていかないといけないというのが私の理解。神を愛すること=自分の人生を愛すること これだと思います。神様はどうでもいいけど、自分の人生を愛することができるような人間になりたいっすね。

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